【映画記録】スカイウォーカーの物語【STARWARS episode9 スカイウォーカーの夜明け】

 映画「STARWARS episode9 スカイウォーカーの夜明け」


「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」特報

 

※ネタバレを含むので、見たくない人は気を付けてね。

概要

  • LucasFilm
  • J・J・エイブラムス監督
  • 2019年12月20日 公開

どんな映画

世界が期待したスターウォーズの最新作にして、完結編(現状)。スターウォーズepisode8からの続編。

 

ファーストオーダーの真の黒幕であったパルパティーン皇帝が復活する。

カイロレンに接触を図り、レイを殺すように仕向ける。

レイはレジスタンスとして、ファーストオーダー(新帝国)を倒すべく、パルパティーンが潜む、エグゼゴルに向かい、パルパティーンとの対決に臨む。

 

細かい部分はかなり端折ったが、大筋としてはこんな感じ。

カイロレンの立ち位置とかレイの出自とか大切な部分もたくさんあるんだけど、あとは自分の目で確かめてくれ!(丸投げ)

 

どんな人が見ると良いか

せめてepisode7,8は見ておかないと作中の人間関係が分からない。

どの人が味方でどの人が敵なのかくらいは分かるけど、ジェダイとシスの関係とかスカイウォーカー家の家系図とか分かっておかないと、物語の内容がさっぱり付いていけない。

特に今回は出自と物語が密接に関わっているので、そこを理解しないと難しい。

 

あとパルパティーンを知らないと楽しさが半減なので、episode4~6も見ておいた方がいい。

最初にパルパティーン皇帝が黒幕としてどーんと現れるし、この後「レイはパルパティーンの孫」という真実に対し、「パルパティーンって誰?」となると困ってしまう。

 

だからepisode4~8を見ておけば、まぁ大丈夫なんだけど、そこまで見たら1~3も見るでしょ、普通に。全部見よう。というか4~6を見ると、1~3を見たくなるんだ。

 

感想の前に

最初に言っておくと、「スカイウォーカーの夜明け」は面白かった。

8まで見ている人には、おすすめできる。

 

ただスターウォーズのようなシリーズ物にはコアなファンがいるので、酷評などもされている。

www.club-typhoon.com

millennium-padawan.com

 

こういう人もいるから、かえって作品の深みというのが出るのかなとも思う。

 

感想

ストーリー

王道のストーリー展開だった。主人公のレイに焦点を当てて物語が進むので、内容も分かりやすかった。前作は視点が飛び回ったので、「レイはどうなっているんだ」とかもどかしい思いがあった。

 

今作のテーマは?

パルパティーン皇帝の突然の登場。

予告編には声で出ていたから予想はされていたらしいが、「あ、黒幕はパルパティーンなんだ」という感じがした。7,8での伏線はあったっけ。1~3、4~6でもパルパティーンが黒幕だから、スターウォーズにおけるボスはいつもパルパティーンと言ってしまえばそれまでか。

 

個人的には、前作でカイロレンがファーストオーダーの最高司令官になったから、カイロレンとの戦いを描くのかなと考えていた。カイロレンもレイも善悪の中間で葛藤しているから、そこをテーマに描くのかと思っていたら、パルパティーンという絶対悪が出てきたので、テーマが違うのかーと。

 

フォースが便利

以前に比べてフォースがずいぶんと便利な仕様になっているが、今回もその通りだった。

レイはフォースの使い方をレイアから学んでいるのね。レイがレイアのことをマスターと呼んでいたので、驚いた。

 

前回もそうだったが、レイとレンは相変わらずちょこちょこフォースでつながる。

しかも今作はがっつり戦いもする。あれはお互いに繋ごうと思った時にのみ起こるのかな。じゃないと寝込みとか襲えるもんね。物の受け渡しとかもできちゃうから、「ぼくの かんがえた さいきょうの ふぉーす」とかに近くなっていったのが心配だったし、ちょっと消化不良。

 

出自の秘密

レイはパルパティーンの孫

レイの出自は今まで明らかにされていなかったけど、今作でとうとう明かされた。

パルパティーンの孫なら、強いフォースを操れるのも納得感がある。

あとカイロレンとのバランスをとることができる。

 

レイとカイロレンは対になっているキャラクターだ。

カイロレンはハン・ソロ(善)とレイナ=オーガナ(善)の間に生まれ、祖父のダース・ベイダー(悪)を尊敬している。アナキンがダークサイドに堕ちて、戻った経緯を考えれば、出自的にはライトサイドの要素が強めなのに、ファーストオーダー(悪)に所属している。

だからこそ本人に葛藤が起こる。

 

これに対して、レイは常にライトサイドに寄っている。ダークサイドに堕ちていく要素は殆どない。なのにカイロレンに手を伸ばされ、迷うようなシーンが生まれている。

つまりレイにもダークサイドに寄るような要素があるということだ。

それが出自の秘密になっていた。

 

「私はレイ=スカイウォーカー」

7~9はまとめると”レイがスカイウォーカーになる物語”だ。

 

レイについてまとめると、パルパティーンの孫という圧倒的なダークサイドの出自をもちながら、レジスタンスにいるジェダイということになる。

ジェダイという存在は魂とか信念とか心の在り方が重要視され、血統は関係ないんだよね。レイアもレイがパルパティーンの孫と知っていながら、レイの魂を見て修行をつけていたわけだし。

 

そしてスカイウォーカー家といえば、ルーク、レイアというライトサイドの代表がいつつ、アナキン、カイロレンというダークサイドに堕ちてからライトサイドに戻ってきた人もいる。

つまり「スカイウォーカー」は危うさはありつつもライトサイドの象徴。

 

パルパティーンを倒したレイは絶対的なライトサイドになる。

レイが”スカイウォーカー”を名乗ることで、レイが自分はライトサイドだと自覚し、かつ「スカイウォーカー」という存在が完全なライトサイドに昇華したことを示すことができる。

 

自身を昇華させてくれたスカイウォーカーに感謝しつつ、スカイウォーカーを昇華させる。

それが「私はレイ=スカイウォーカー」と名乗ることだったんじゃないかな。

 

総評

7~9の中だと良い作品だった。

ストーリーも分かりやすくて感動場面も多かった。

 

ただし1~8を見てしまうと、セルフオマージュも過ぎて、内容の焼き直しのように見えてしまうところもあった。

最後に言った「レイがスカイウォーカーになる物語」として改めて7~9を見たら、少し違った見方ができるかもしれない。