働き方改革が叫ばれてるね
昨今、世の中では働き方改革が叫ばれているが、教員の業界も例外ではない。
むしろ活発に話されている業界の1つだろう。
部活の話とか残業代の話とか、枚挙に暇がない。
じゃあうちの職場はどうなのかと言えば、実のところあんまり働きにくさは感じていない。校長が労働削減には前向きで、いらないものはドンドン減っている。
その一方で単純に減らしちゃいけない物の見極めも凄いので、非常に快適に働けている。
所見業務なんかは非常に面倒くさい仕事の1つなのだが、要録を見越して必要最低限は書くようにするとか、トータルの仕事量で考えるので、全体量はやっぱり減っている。
最近では夕方の打ち合わせの時間が前倒しになって、会議時間とかがかなりコンパクトになった。
とにかく効果がありそうとか、提案された妥当性がありそうな案はバンバン採用されて業務が削減されていく。
逆に「やっぱり必要だったわ」となったら、あっさりと辞めたり戻したりするので、ガンガン話が進む。
それでいて居心地が良いグレーな部分は、そのままにしておくので、働き方の塩梅が絶妙でいい。
セキュリティは唐突に
そんな様子なので、うちの職場は職員間の仲も良く、みんな居心地よくぬくぬくと仕事をしていた。
ところが年末になって、唐突にシステムの一部が使えなくなった。
正確に言えば、職場以外の端末からのアクセスが禁止された。
今までは外部端末からe-ポータルサイトに入り、そこから仕事ができていたのだが、それができなくなった。
冬休みに残りの仕事を家でやろうとしていた人は唐突なことに衝撃を受けた。
セキュリティとしては当然なのかもしれないが、今まで使えていたのが突然できなくなったのが困るし、やれることが急激に減った。
とはいえ、行政側も何か事情があるのかもしれないので、校長に会議の場で理由を聞いてきてもらうことにした。
というか、校長も驚いてたし怒ってた。
そして会議の場で分かったことは、「結構上からの鶴の一声」。
は?
現状や今後のビジョンを見ていない中での、思考停止判断だと。
は?
完全に前時代的な判断。なるほど、これが無能に出会ったときの気持ちか。
ライフワークバランスとは?
確かにセキュリティ上は正しい措置かもしれないし、家や外で仕事ができないからプライベートと仕事が分離されて、ライフワークバランスが保たれるような気もする。
しかしどこかに違和感が残る。
そこで考えた結論が、たぶん教員はライフとワークを切り離せない仕事なんじゃないかなということ。
パズルを見れば算数に使えないかな、旅行に行ったら社会の教材になりそう、感動した出来事は道徳で。
俺もボードゲームが趣味だけど、SSTに使えそうだなとかよく考える。
でもそれは嫌な感覚にはならない。
いかに自分のライフにワークを上手に溶け込ませるか、それがライフワークバランス。
「溶け込ませる」感覚で捉えて、人生を水溶液に例えると分かりやすい。
自分のライフという水溶液の中に「ワーク」の比率が高くなると、濃硫酸のような劇薬になってしまう。
だから家族とか友達とか趣味とか、他の要素を混ぜてライフの中和を図る。
時折、好きでワークばかりしてしまい、濃硫酸になっている奴もいるが、それは本人的には楽しいから中和されてるんじゃない…?
「濃硫酸を作れ」
その意味では、今までのシステムは溶け込ませ方がやっぱり絶妙であった。
仕事したい人は家でもできたし、プライベートに仕事を持ち込みたくない人は、単純にやらなくてよかった。選択肢が与えられていた。
家族の関係で職場に長くいられない人は、家にいて別の時間に仕事をすることもできた。
自分のライフを支える柔軟性があった。
だが今回の指示は、その柔軟性を明らかに奪うものだ。
中和された水溶液から硫酸をむりやり分離させて、濃縮している。
ライフという水溶液の入れ物に無理やり仕切り板を入れて、濃硫酸とそれ以外に分けてしまっている。
こう言われると、なんでそんなアホな状態にしたのか分からん。
安全神話
そもそもの話に戻ると、セキュリティレベルを上げたのは情報漏洩などを防止するためだが、今回の指示で安心安全になっただろうか。
残念ながら、全くそんなことは無い。
むしろ今回の指示で防げると想定した事故は、かえって起きる率が上がっている。
クラウド管理されていたのが、たぶんUSBとかに逆戻りになるだけ。
だったらクラウドの方が安全といえる。
ようは本末転倒なんだよね。
だからこそ今回の判断は思考停止極まる無能なものだと断ずることができるわけで。
理解がない馬鹿が思考停止で判断すると碌なことにならないお手本のような出来事だ。
今回のことで事故が起きたら、事故を起こした人より判断した人の責任だぞ。
最近見て面白かった記事だが、折しもこの状態に近いものになってる。
管理職は、自分がやることの目的とやるべきことをちゃんと見極めないとね。