不思議な関係

吉野は持病の関係で2ヶ月に一回くらい通院してる。

お薬も飲むので通院後はいつも薬局にも行く。毎回同じ薬局に行くが、大体いつものお姉さんが対応してくれる。

 

吉野がこの薬局に通うようになって、約5年が経つ。

お姉さんは最初のときからずーっといる。なのでこのお姉さんとも約5年の付き合いになる。薬剤師のシステムはよく分からないが、俺はこのお姉さんに調剤してもらうことが多い。もちろん他の人が調剤してくれるときもあるが、基本的にはこのお姉さんだ。しかし世間話をするわけでもないので、お互いに名前くらいしか知らない。いや、正確には向こうは俺の病状などを多少理解してくれているが。5年の付き合いになるので、ある程度は砕けた話し方はするが、必要以上のことは話さない。てか薬局でそんな話をしていたら変だろ

 

5年も経てばお互いに色々な変化がある。

20代だった俺はとうに30歳を超えた。病状は良くなり、職場も変わった。左の薬指からリングは無くなり、転居もした。片やお姉さんも、最初の会った時より5歳は歳を重ねたはずだ。左の薬指にもリングが着けられるようになった。

 

リングが現れる前後お姉さんをで1年くらい見かけない時があった。

再び会った時に「最近、いなかったよね」と話したら、「いえ、いましたよ」と返された。巡り合わない時もある時もあるようだ。

 

ロングだった髪型もショートになった。

短くなった時に「似合ってるね」と声をかけ、お姉さんが嬉しそうにしていたのを何となく覚えている。お姉さんの顔には少しだけ特徴がある。他人から見ると全く気にならない。でもお姉さんがどう思っていたかは分からない。最初に会った頃はロングの髪型だった。顔の特徴を隠すような髪型だった。今のお姉さんはショートになった。特徴を隠すことなくスッキリとした髪型になっている。

 

想像のし過ぎかもしれない。それならそれでいい。でも想像の通りだとしたら、それもまたいいのではない。5年もあるとお互いに色々な変化がある。

願わくば良き変化であることを