クリスマスに見る夢じゃない

夢を見た。

いつもの教室に、いつもの子どもたちと、いつもの様に居る。子どもを見ると皆、周りの子話すのに夢中になり、こちらを向いている子はいない。私は違和感を覚えている。

 

場面が変わる。

どうも次の時間は音楽のようだ。教室を移動しなければならない。それは覚えている。

しかし子どもたちの動きは緩慢でまるで時間に間に合うような気配は無い。しびれを切らして怒鳴り立てる。普段ならそんなことは無いのに。

依然、教室に残る子がいる。その子の近くに行き、怒鳴り立てる。その子は動じずにじっとこちらを見つめる。自分が何を言っているか分からないが、まだ怒鳴り立てる。

 

そんなことをしていたら、子どもたちが戻ってきた。何事かと思っていたら、呟く声から聞こえるに、専科の先生からウチの授業ではないと言われたようだ。

そんなはずはない。木曜日の2時間目は確かに音楽だ。さっきも確認した。しかしふと頭の中を一抹の不安がよぎる。

 

今日は木曜日。

一週間の4日目だから木曜日。俺はそう思ったらしい。だが、今週は月曜休みの火曜始まり。だから4日目だとするなら、今日は金曜日。

急いで週案簿を見直す。金曜日の時間割は1時間目から6時間目まで出前授業という訳がわからないことになっている。

 

怒鳴り散らしてまで子供を追い出したのに、自分の間違えだったとは。情けない。子供に謝らねば。だが果たしてどんな顔をすればいいのか。顔向けもできない。

 

そんなことを思っていると教室の後方に見知らぬ男性たちが2人ほど立っている。あぁ出前授業の人。それは分かった。

テレビを使いたいと話してくる。じゃあケーブルを繋げばいいが。

 

でもこのまま授業を始めるのはおかしい。

子供にまず謝らねば。ケーブルを繋いでテレビのセッティングをしている後ろでは既に子どもたちが自分の席に座っている。

俺はまだ後ろを向けていない。