教材研究をよくする若手たち

最近、若手の人たちがよく教材研究をしていると思う。

これに関して分からないのが、「以前からしていたが自分が観測できていなかった」だけなのか、「以前より教材研究する質や量が増えた」のかということだ。

どちらもあり得る気がするが、とりあえず自分の観測上、若手の人たちが以前よりも教材研究を熱心にやっているように思える。

 

吉野から見ると、職場の後輩は何人もいるが、特に若手と言われる人たちは9人ほどいる。そのうち吉野と同様に学級担任をしているのは、7人だ。

その中の特定の人とは前から教材に関して話し合う機会が多かったので、そういう人には熱心に教材研究しているなーとは思っていた。

 

ただ最近、変化したのは、吉野が全ての若手としばしば教材に関して相談をしていることである。

若手と言っても、初任者から異動直前の人までいるので相談の内容はバラバラなのだが、全員とそういった交流をしていると気が付いたのが、つい先日のことだ。

何故だろう?

 

考えられる理由の一つが、うちの学校は比較的仕事が緩やかで負担が少ないことだ。

吉野も定時にこそ終わらないものの、定時以前には事務的な仕事を終えて、明日の準備について考えを巡らせていることが多い。

教師は毎日、教壇に立ち、毎日自分の不出来を思い知らされる。

明日の準備の時間があるならば、不出来な自分に嫌気がさし、熱心に準備を始める。そういう生き物だ。

要は教材研究に充てられる仕事時間が増えているから、そちらにリソースを傾けているということだろう。

 

もう一つは、1つ目の理由で全体的に教材研究をしているから、そのムーブメントが何となく伝播しているのだろう。

つまり学校の慣習化。これくらいの教材研究しておくといいよね、という雰囲気。

 

さて教材研究が捗っているからか、吉野が受ける質問も少しずつ変化している。

ある若手からはタブレットの活用法の相談を受けるし、別の若手からは自由進度の相談を受ける。

内容が以前よりも質が上がっているように感じる。これは教える側としても喜ばしいことだ。

 

そうなると今度は自分の番だ。

吉野に相談をしに来るのは、やはりその道の先駆者からアドバイスを聞きたいという心理が働いている。逆に言えば、吉野は常に先を行っている必要がある。

自分の後ろを歩いてきている感覚がある。追い越してもらっても勿論構わない。

しかし追い越されないように進むのも俺の使命の1つだろう。