調整で帰る

今日は調整を使って早めに帰ってみた。

 

他の職種でもあるのだろうが、もしかしたらこの職だけのことかもしれないので、一応説明をしておこう。

調整とは勤務時間を前にずらした分、後ろの定時が早くなるというものだ。

 

今日は土曜日にやるはずであったミニ運動会のようなものがあった。

本来は土曜日にやる予定だったが、台風接近による大雨で中止になった。

10月10日に雨が降るなんて、観測史上でも珍しいのではないだろうか。

 

そのため土曜の運動会は中止。月曜日に延期となった。

しかし延期となったからとはいえ、月曜の準備が土曜日にできるわけではない。

日曜日に出勤するわけにもいかない。

ということで、月曜の朝に招集がかけられたのだ。

 

普段の勤務開始は8時15分。

可能であれば、1時間早く来てほしいとのことだったので、今日は7時15分から勤務。

私はいつも割と早い電車で行くので、体感としては少し早めに出るくらいの感覚であった。

 

1時間の調整なので、勤務終了は15時45分。

こうなると休憩時間がどこになるかが甚だ疑問が残るが、今回は深く考えないとする。

今度、副に聞いてみようか。答えにくいだろうなぁ。

 

そんなわけでいつもより早く帰ることにしたが、なかなか帰りにくいものだ。

調整が効くからと言って、別に仕事の量が減るわけではない。前倒しでできているわけでもない。

この職業の一番辛いところは、仕事の終わりが無いことだ。探そうと思えば永遠に仕事ができてしまう。

周りも仕事をしている中だと、「何か漏れがないかな…?」などと不安になって、結局帰れなかったりする。

 

が、今日は調整があると聞いたときから、「せっかくなら調整で帰ってみよう!」と決めていたので、覚悟をもって帰ってみた。

職員室を抜ける瞬間が一番緊張した。

 

実際に帰ってみると、実は数人同じように帰っている人がいたようで、駅で会うことができた。

なんだ大丈夫じゃないかと思いつつ、一緒に帰る。

 

最寄り駅まで来ると、もう緊張感のようなものもなく、早く帰れたことの喜びしか無い。

この時間だと学生が多いことに改めて気がつく。

当たり前だが、私と彼らは生活時間が随分違うのだなと思わされる。

 

最寄り駅構内で興味深いものを見た。

ベンチで座っているおじさんたちである。皆、スーツを来てのんびりと座っている。

彼らも勤務が終わったのだろうか。誰かと待ち合わせている感じではない。

なぜみんな、ベンチに座っているのだろうか。社会はわからないことばかりだ。

 

調整で帰った夕方はいつもと違う風景が見られる。

アフター5をじっくりと楽しむのも良いものだ。